
年齢に関係なく、身体機能は必ず向上する
日々の仕事を通じて、私が確信していることがあります。
それは、「年齢に関係なく身体機能は向上する」ということです。
そして同時に、脳の機能も向上し、認知症の予防にもつながると感じています。
今日は、私が主催している体操教室に通う、ある80代女性のお話をさせてください。
1年前の不調から、人生のターニングポイントへ
約1年前、その女性はたくさんの不調を抱えていらっしゃいました。
腕が上がらない、腰が痛い、膝が痛い、歩くとふらつく……。
次から次へと体のトラブルが出てくる状態だったのです。
しかし、週1回のレッスンを半年ほど続けた頃、彼女からこんな嬉しい報告がありました。
「おかげさまで、パンツを上げるのが楽になったのよ」
「パンツをはく」。これは私たちが毎日当たり前に行っている日常生活動作です。
ですが、この動作ができなくなってきたらどうなるでしょうか。
それは「誰かに介護をされる」という状態への入り口を意味します。
ご家族が介護をするのか、介護サービスを受けるのか。様々な選択肢はありますが、住み慣れた環境で自分らしく年齢を重ねることを考えると、自力で「パンツをはく」ことができるかどうかは、人生における大きなターニングポイントになることは間違いありません。
最も老化を促進させる言葉
「もう歳だから……」
実は脳科学の観点からも、この言葉は最も老化を促進させると言われています。
「もう歳だから仕方ない」という思考になった瞬間から、人間の体はどんどん退化していきます。
一番始末が悪いのは、「年齢によるものだから、しょうがないですね」と、夢も希望もない診断をしてしまうドクターの存在かもしれません。
パンツをはくのが楽になったその女性は、そこで止まりませんでした。
それからさらに6ヶ月(通い始めて1年)が経過した頃、驚くべき報告をしてくれたのです。
「この前ね、脚立に上って仕事をしたのよ」
1年間で起きた驚くべき変化の理由
1年間で、歩くのもふらついていた方が脚立にのぼれるようになる。
一体何をやったのか?と気になりますよね。
汗をたくさんかいて激しい運動をしたわけではありません。
マシンやバーベルを使ってキツい筋トレをしたわけでもありません。
やったのは、「頑張らない体操」です。
普段使われていない体の感覚(身体認知)を鮮明にし、背骨の動きや骨盤の動きへアプローチする。そして、無駄な力を抜く「脱力感覚」を身につける。 そのような運動をコツコツと「継続」したことが、何よりも大きな変化につながったのだと思います。
運動における最大のハードルは「継続」
運動において、「継続すること」はなによりも大きなハードルになります。 一説によると、スポーツジムの1年後の継続率はわずか4パーセントとも言われているほどです。これはシニア層においても同じで、いかに続けられるかが最大のポイントになります。
継続できない主な理由としては、「忙しい」「効果が実感できない」「めんどうくさい」などが挙げられます。
脚立に上って仕事をしたというその女性は、、、
1年間ほぼ休みなしで教室に通い、継続されていました。
彼女の姿を見て、「やっぱり継続が全てだな」と、あらためて実感させられました。
【追伸】
先日、別の会場の体操教室を利用されている80代後半の女性からも、こんな報告がありました。
「先生、実は先日、脚立にのぼりまして……」
……最近、シニア世代の間で脚立にのぼるのが流行ってるんですかね(笑)。